倉本聰が15年ぶりに連続ドラマの脚本を手がけたことで話題になった作品で、舞台は『北の国から』と同じく富良野である。美瑛の皆空窯で陶芸の修行中の拓郎(二宮和也)は、富良野のスーパーで皿を割ってしまった梓(長澤まさみ)と知り合う。程なくして、梓が拓郎の父である勇吉(寺尾聰)がオーナーを務める喫茶店「森の時計」の従業員であることを知る拓郎。3年前に拓郎が起こした自動車事故で母・めぐみ(大竹しのぶ)が亡くなって以来、勇吉と拓郎は絶縁状態にあった。 父と息子の確執から絆の再生という流れが第1話から最終話までの通奏低音を成しているが、各話ごとに織り込まれたサブストーリーに登場する豪華ゲストたちにも注目したい。勇吉に対して時には包み込むような優しさで、時には鋭く叱咤するする存在として登場するめぐみの幻がドラマの隠し味になっている。もっとも見ごたえがある回は第5話だが、脚本は富良野塾出身の吉田紀子が担当。(麻生結一)
<ポイント>○『北の国から』の脚本家・倉本聰が再び北の大地を舞台に、“父と子の絆の再生”と“優しさ”をテーマに描く感動作。 2005年1〜3月期にフジテレビ系で放映され、初回18.3%の好視聴率を記録。○『半落ち』で日本アカデミー賞最優秀主演男優賞に輝いた寺尾聰、人気アイドルグループ「嵐」の二宮和也、映画版『世界の中心で、愛をさけぶ』の長澤まさみ、 ベテラン演技派女優の大竹しのぶが豪華共演。○第1話の時任三郎、手塚理美をはじめ、北島三郎、小泉今日子、小日向文世、佐々木蔵之介、杉田かおる、田畑智子、木村多江、徳重聡など、毎回多彩なゲストが登場。○「Jupiter」の大ヒットで一躍注目を浴びた人気女性シンガー、平原綾香が主題歌を担当。<ストーリー>湧井勇吉(寺尾聰)は海外駐在を永く経験してきたエリート商社マンだったが、3年前に息子の拓郎(二宮和也)が起こした交通事故で妻・めぐみ(大竹しのぶ)を失い、定年目前で会社を退社。妻の故郷・富良野に移住し、コーヒーショップ「森の時計」を開業する。一方、拓郎は、母の親友であり、「北時計」というコーヒーショップを経営する朋子(余貴美子)の紹介で、富良野から50キロ離れた美瑛町の窯場「皆空窯」で陶芸家見習いとして修行を始める。だが、母の死に責任を感じていた拓郎は、勇吉にあわす顔がなく、事故以来、ふたりは一度も会っていなかった。そんなある日、拓郎はスーパーで商品の皿を割って困っている梓(長澤まさみ)と出会う。梓が勇吉の店の従業員と知らない拓郎は、すぐ食器を割ってしまうという彼女に、窯で作った失敗作を分けてやると携帯電話の番号を教える。そんな折、「森の時計」に勇吉の商社時代の部下・水谷(時任三郎)が妻の美子(手塚理美)を連れて訪ねてきた。水谷は勇吉のように脱サラし、美子の故郷でペンションを開くという。そこへ、朋子が勇吉の誕生日プレゼントを持ってくる。それは拓郎から内緒で託された、拓郎が勇吉の還暦祝いのために初めて作ったマグカップだった…。