滋賀県旧湖東町(現東近江市)に「西堀栄三郎記念探検の殿堂」という博物館が
あり、南極ブリザード体験などができます。そこで知ったのが、「山よ♪岩よ♪」
で始まる「山男の歌(?)」が彼の作詞であること。
第一次南極越冬隊の初代隊長となった西堀氏の、人生訓・考え方・生き様を
とても読みやすくまとめていただいた本です。(彼自身の講演がネタ元)
幼少の時期より、山岳、探検に勤しんだ彼の人生、考え方を、南極探検の時の
経験談を中心に語りかけるこの本は、読んでいるうちに心が元気になり、勇気が
湧き上がることができる、不思議な書物だと思います。
特に、一貫して感じたことは、
(1)思い続け、努力をしていれば、やがては実現する。(その努力の継続が難しい
のですが)
(2)何事もやってみなければわからない、でも、その上に強い意思を持って何事にも
チャレンジしなければならない(漫然とチャレンジするだけでは意味はない。
「課題達成意欲」の強さがその実現に向けた推進力である)。
ことでしょうか。
手探りで、設備も装備も備わっていないからこそ、ヤリ甲斐もユメも希望もふんだんに
あった時代の熱い心も感じさせる、名著の一冊ではないでしょうか。
可愛い装丁とともに、お勧めです。
"新橋の芸者を集めてでも製造可能"と称された「真空管ソラ」の開発者、日本のQCの元祖、そして南極第一次越冬隊隊長 ― というマルチな才能をご発揮された西堀榮三郎先生。そんな先生の重要著書「創造力」(1990 講談社刊)の改題・再編集したのが本書です。(その意味では「ものづくり道」(2004 ワック刊)と同内容です)寺田寅彦・中谷宇吉郎フリークなら、この西堀先生の著書にも同じ薫りを感じてニヤッと微笑まれることでしょう。(実際、西堀先生と中谷先生とは「雪の結晶」を通じて繋がりがありますょ)
主要目次は次の通りです:第1章 自然を考える、第2章 技術を考える、第3章 品質を考える、第4章 創造性を考える、第5章 組織を考える、第6章 技術を極める
ずばり、(創造力)=(知識)×(切迫感)×(非常識な思考)な訳でして、この肝を具体的に語っておられます。そして、そのような創造力が生まれるような環境を如何に作れば良いのか、西堀先生がご経験に基づいて語られています。企業研究者(とくに技術リーダー)は必読の書と断言いたしましょう。私は「ものづくり道」を傍らに置き、時折開いてみて助言を仰いでいます。先生の別著書タイトル「石橋を叩けば渡れない」という言葉に現れているように、本書は示唆に富む名言集でもあるからです。コチコチ頭をほぐすのに良い感じです。文庫化により携帯に便利になって、嬉しい限りです。(^-^)v
元東芝で日本のQC創世記を担った西堀氏が製品開発の勘どころを展開する書。自ら西堀流と呼ぶだけあり、個人的な考えを記述しているのだが、基礎開発から製品設計、市場調査、組織論まで広範な範囲を網羅し、30年前の著でありながら近年のMOT論と遜色なく通用する。管理職を含む全ての技術者に参考となる良書。古書が高価で取引されているのが理解できる。