ボストリッジの声は、まろやかで、どこかひんやりしていて、テノールというよりは、アルトやカウンターテノールの声に近い、不思議な響きをもっている。理知的だが傷つきやすい若者が、孤独に、ナイーブにその精神を屹立(きつりつ)させているような雰囲気が、大変魅力的だ。クラシックの歌手というよりは、孤高のロックシンガーのような風貌もいい。 シューベルトのポピュラーな名曲が集められた第1集と違って、第2集は有名曲はほとんどないが、そのぶん、作曲家の孤独で内省的な歌曲を中心に見事な構成がなされている。死と破滅の予感、冷たい虚無性が濃厚に漂うこのCDには、シューベルト独自の愛らしい野の花のようなメロディの魅惑、あるいは若者らしい熱情が足りないという向きもあるかもしれない。しかし、この特異なまでにクールな感覚はボストリッジだけの個性で、これこそが若さのひとつの形かもしれない。雪の中にポタポタと滴り落ちる雫のような美音を紡ぎ出すジュリアス・ドレイクのピアノとともに、都会の孤独に苦しむ現代人には、むしろ切実に訴えかけてやまない。(林田直樹)
関連キーワード: imporco 曲目:無伴奏女声合唱のための「南島歌遊び」 その1 版画: : 朝の祈り / 収穫 / 憩い / 陽気な娘たち / 無伴奏女声合唱のための「南島歌遊び」 その2 伝説: : 嗚咽(おえつ) / 野茶坊(やちゃぼう) / 哀怨(あいえん) / 橋 / 無伴奏女声合唱のための「南島歌遊び」 その3 映像: : 椎(しい)やなるな / 戯(たわむれ) / 童夢(わらびゆめ) / 酒、酒、酒(サイ、サイ、サイ) / 無伴奏女声合唱のための「南島歌遊び」 終曲: : 島唄は神々を招く / 女声合唱とピアノのための「美しき南の島の歌」: : いきゅんにゃかな(別離の唄) / いきすこまる(まりつき唄) / よーはいよー(子守唄) / いんねすぃりすぃり(収穫の唄) / 天からうてぃたん とぅめはちきゃ(子守唄) / 女声合唱組曲 西風の見たもの(甑島方言による): : 愉快な海女たち / 子守娘 / 童女の